TikTokのミッションは、創造性を刺激し、喜びをもたらすことです。私たちは、ユーザーが本当の意味で創造し、共有し、世界を発見し、他の人とつながることができるグローバルなコミュニティを提供しています。「おすすめ」フィードは、そのつながりと発見を可能にする機能の一つです。ここはTikTokのユーザー体験の中心であり、多くのユーザーが時間を過ごす場所です。
TikTokを開いて「おすすめ」フィードにアクセスすると、ユーザーの興味に合わせて厳選された動画が表示されるので、好きなコンテンツやクリエイターを簡単に見つけることができます。このおすすめの仕組みは、各ユーザーが興味を持ちそうなコンテンツを届けるレコメンドシステムによってできています。TikTokの大きな特徴の一つは、一つとして同じおすすめフィードがないことです。つまり、異なるユーザーが同じ人気動画に出会ったとしても、各ユーザーのおすすめフィードはそれぞれ異なっており、特定の個人に合わせてカスタマイズされています。
おすすめフィードはTikTokの大きな特徴の一つですが、動画がどのような仕組みでおすすめフィードに配信されるのかという点に疑問があることは理解しています。この記事では、おすすめフィードの裏側にあるレコメンドシステムについて解説し、あらゆるレコメンドサービスが直面する課題に向けて取り組んでいることについてお伝えします。また、TikTokにおけるユーザー体験を個人に合わせてカスタマイズするためのヒントについても共有します。
レコメンドシステムの基本
レコメンドシステムは私たちの身の回りに多くあります。私たちが毎日利用しているサービスの多くは、レコメンドシステムによって支えられています。ショッピングや動画配信から、検索エンジンまで、レコメンドシステムはユーザーがより個人的な体験をできるように設計されています。
一般的にこれらのシステムは、コメント投稿やアカウントフォローなど、TikTokとユーザーのインタラクションを通じて示されたユーザーの好みを考慮した上でコンテンツを提案します。これらの指標はレコメンドシステムが、ユーザーが好みのコンテンツはもちろん、スキップしたいコンテンツを推測するのにも役立ちます。
おすすめフィードに関係のある要因
TikTokでは、おすすめフィードは各ユーザーの好みを反映しています。このレコメンドシステムでは新規ユーザーが興味のあることから、興味のないことまでを調整しながら、これらを組み合わせた要素をもとに動画をランキング化し、個人に合わせたおすすめフィードを作るため動画をレコメンドしています。
おすすめフィードに載る動画は多くの要因に基づいて決まります。以下は一例です:
- ユーザーインタラクション:動画の「いいね」や「シェア」、アカウントのフォロー、コメント投稿、作成したコンテンツなど
- 動画の情報:キャプション、サウンド、ハッシュタグなど
- デバイスとアカウントの設定:言語や国の設定、デバイスの種類など。これらの要素は、システムのパフォーマンスを最適化するために含まれていますが、これらの要素からユーザーの嗜好は判別するのが難しいため、レコメンドシステム上では他の要 素よりも重要度は低くなっています。
このような様々な要素はすべて当社のレコメンドシステムによって処理され、ユーザーにとっての価値に基づいて重要度が決められます。ユーザーが最初から最後まで長い動画を見終えたかどうかといった強い指標は、ユーザーと動画の視聴者と制作者が同じ国にいるかどうかといった弱い指標よりも重要度が高く判断されます。動画は、ユーザーがコンテンツに興味を持つ可能性を判断するためにランク付けされ、それぞれの個人に合わせたおすすめフィードに配信されます。
フォロワー数の多いアカウントが投稿した動画の方が再生回数が多くなる可能性はありますが、フォロワー数自体も、そのアカウントが過去に人気になった動画を投稿しているかどうかも、レコメンドシステムに直接的には影響しません。
個人に合わせたおすすめフィードを作るには
はじめに
TikTokを始めたばかりなのに、どのようにしてTikTokは自分の好みを知ることができるのでしょうか?まずは、ペットや旅行など、興味のあるカテゴリーを選択していただき、ユーザーの好みに合わせたおすすめ情報を提供しています。これによって、TikTokは初期のおすすめフィードを作ることができ、初期の動画に対する反応に基づいてレコメンドの精度に磨きをかけるようになります。
カテゴリを選択しないユーザーには、まず、人気のある動画の一般化されたフィードを提供します。最初の「いいね!」や「コメント」、そして戻って再生するリプレイなどに基づいて、初期のレコメンドが開始され、徐々にシステムがユーザーのコンテンツの好みをより深く理解していきます。
興味があることをもっと探してみる
おすすめするコンテンツに対して新しいインタラクションを行うたびに、システムはユーザーの興味関心を学習し、コンテンツを提案します。そのため、おすすめフィードをキュレーションする最良の方法は、単にTikTokを使って楽しむことです。利用時間が経つにつれて、おすすめフィードは、あなたの興味に関連した動画をおすすめするようになるはずです。
おすすめフィードは、フィードを通したエンゲージメントだけによって作られるわけではありません。例えば、新しいアカウントをフォローする際、その行動はおすすめの絞り込みに役立ちます。また、「トレンド」タブでハッシュタグ、サウンド、エフェクト、トレンドトピックを検索する行動はすべて、あなた好みの新たなカテゴリの動画をフィードに取り入れる方法になります。
興味のないものを見ることを減らす
TikTokには様々な興味や視点を持ったクリエイターが多く集まっているため、時には自分の好みに合わない動画に出会うこともあるかもしれません。動画を長押しすることでお気に入りに動画を追加することができるのと同じように、単に動画を長押しし、「興味ありません」をタップすることで特定の動画に対する関心がないことを示すことができます。また、特定のクリエイターの動画や特定の楽曲を使用した動画を非表示にしたり、ガイドラインに沿っていないと思われる動画を通報することもできます。 これらのアクションはすべて、今後のおすすめフィードに関係します。
レコメンドエンジンが持つ課題への取り組み
レコメンドエンジンが持つ課題の一つは、レコメンドエンジンが意図せずユーザー体験を制限してしまう可能性があることです。これはいわゆる「フィルターバブル」と呼ばれるものです。ユーザーにとって興味関心がある動画を提案しようとするがゆえに、似たような動画ばかりを表示してしまうリスクがあります。これはレコメンドシステムを維持していく上で、私たちが真剣に捉えている懸念事項です。
同じコンテンツの繰り返しを防ぐ
ユーザーのおすすめフィードを面白く多様なものにし続けるために、TikTokのレコメンドシステムはユーザーが既に好きだと自覚しているコンテンツと共に、多様なタイプのコンテンツを発見できるように構築されています。例えば、一般的におすすめフィードでは、同じ楽曲で作られた動画や同じクリエイターによる動画が2つ連続して表示されることはありません。また、重複したコンテンツや既に視聴されたコンテンツ、スパムと思われるようなコンテンツもおすすめされません。一方で、同じような趣味を持つ他のユーザーから評判の良い動画はおすすめされる可能性があります。
おすすめ動画の多様化
多様性はグローバルコミュニティにとって不可欠であり、TikTokにとってもあらゆる領域において重要な要素です。そのため、時には、あなたのおすすめフィードの中に、あなたが示した興味に関係ないような動画や、多くの「いいね!」を獲得していない動画に出会うことがあります。これは、私達のレコメンデーションへのアプローチの重要かつ意図的な要素です。おすすめフィードに多様な動画取り入れることで、おすすめフィードをスクロールしながら新しいコンテンツカテゴリと偶然出会ったり、新しいクリエイターを見つけたり、新しい視点やアイデアを体験したりする機会を増やすことができます。
時々異なる動画を提供することで、システムはまた、より幅広いユーザーの間で何が人気なのかをよりよく知ることができ、他のTikTokユーザーにも素晴らしい体験を提供することができます。私たちは、ユーザーにとって興味関心のあるコンテンツを提案することと、他では見られないような新しいコンテンツやクリエイターを見つける手助けをすることとのバランスをとろうとしています。
視聴体験における安全性の確保
当社のレコメンドシステムは安全性にも考慮して設計されています。例えば、生々しい医療行為などが映っていると判断されたコンテンツは、そのような動画の視聴を許可しておらず、慣れていないユーザーのおすすめフィードに表示された場合、衝撃を与える可能性があるため、おすすめの対象にならない場合があります。同様に、アップロードされたばかりの動画やレビュー中の動画、迷惑行為などのスパムコンテンツも、おすすめフィードに推薦するには不適切と判断される場合があります。
おすすめフィード改善のために
TikTokのレコメンドシステムの開発と維持は継続的なプロセスです。ユーザー、調査、データからのフィードバックに基づき、精度の向上、モデルの調整、そしてレコメンデーションに貢献する要因やその重要度の再評価を行い続けています。私たちは、レコメンドシステムに影響を及ぼす可能性のある要素からの保護をさらに強化するために、さらなる研究と投資を行います。
この業務は、製品、セーフティ、セキュリティを含む多くの部署で横断的に行っており、レコメンドシステムの関連性を高め、より楽しめるコンテンツやカテゴリを提案する精度を向上させるのに貢献しています。
最終的には、ユーザーのおすすめフィードはユーザーのフィードバックによって強化されます。このシステムは、ユーザーのプラットフォームとの関わり方から継続的に改善、修正、学習し、おすすめフィードを読み込む度に創造性を刺激して喜びをもたらすような、パーソナライズされたレコメンドを生成するように設計されています。
注: ロサンゼルスのTikTok Transparency Centerでは、専門家を招いてTikTokのソースコードをレビューしながら、当社のアルゴリズムがどのように動作するかを学ぶ機会を提供し、そこで今後テストと評価のために利用できるようになる予定です。