ショートムービープラットフォーム「TikTok(ティックトック)」は、2023年11月28日(火)に「第18回TikTok Japan セーフティパートナー・カウンシル」を開催しました。当日は、TikTokセーフティパートナーおよび有識者・関係省庁の皆さまにオンラインでご参加いただき、基調講演を実施後、「データで見る、ネットの誹謗中傷とフェイク情報」をテーマにデジタルプラットフォームが取り組むべき対策について議論しました。

■基調講演

基調講演には、国際大学GLOCOM 准教授の 山口真一(やまぐち しんいち)先生をお招きし、「インターネットをデータで解き明かす」をテーマにお話いただきました。上記テーマの中でも、特に課題となっている「誹謗中傷」「フェイク情報」「インターネット情報の偏り」「他者と比較してしまう問題」の4テーマについて、具体例やデータも交えながら、社会全体として取り組むべき対策についても講演いただきました。


■ディスカッション

ご参加いただいたセーフティパートナーの皆さま、関係省庁の皆さまを交え、ディスカッションを実施しました。基調講演で論題となった4つのテーマの中から、特に誹謗中傷や他者と比較してしまう問題について、多様な意見が飛び交いました。主な論点と、各論点についての議論の一部を下記にまとめました。

<TikTokなどプラットフォーム事業者ができること>

  • Q:プラットフォーム事業社が実践・意識ともに課題解決に向けてアプローチしていくにはどのような方法があるのか。(OVA庄司氏) A:政府やNPO法人、あるいはメディアがプラットフォーム側にプレッシャーをかけていくことも必要だが、それだけではなく、様々なステークホルダーが持っている情報を提供し合い、対等に議論できる場を作ることが重要。今日も、そのような場として非常に良い取り組みと思う。(山口先生)


<社会としてどう課題に立ち向かっていくか>

  • 不安な気持ちの時にこそ、より不安になるような情報に目がいってしまって、さらに不安になってしまう傾向が生きづらさを抱える人々(特に若い世代)に見られる。社会的に大きな問題となっている話題(例:コロナ禍における誤情報など)に関しては、注目され、各プラットフォームが対策をしているが、まだまだ注目されていない問題もある。プラットフォームだけでは対応できない部分もある中で、各ステークホルダーが「連携」してどのような対策が可能かを考え続ける必要がある。(雫穿大学 朝倉氏)


<フェイク情報への対策・デジタルリテラシー教育の重要性>

  • 実際のフェイク情報を使って人々の行動検証を行ってみたところ、フェイク情報に出会った人の中で、その情報が誤った情報だと気が付いている人が少ない。デジタルリテラシー教育の拡充も老若男女問わず様々な層に実施していくのが大切。中でも、誹謗中傷への向き合い方や情報のバイアス、そしてブロックやミュートなどの身を守る機能の使い方などを啓発していくのが大切。(山口先生)
  • 様々な生の情報がネットで誰でも見られる状況にある今、判断するリテラシーを養うことが難しい状況にある。違う意見の人と関わったり、対話をするような仕組みづくりの強化が必要。(カタリバ野倉氏)
  • Q:フェイク情報も含む誹謗中傷がマネタイズされていることについて問題意識を持っているが、訴えるにもお金がかかってしまう。炎上や誹謗中傷に対して、過敏に反応しないという選択肢はどうか。また、反応しないことにより、攻撃を受け続けサンドバッグ状態になってしまった場合、できることは何かあるか。(ぱっぷす内田氏) A:過敏に反応しないことは一つの選択肢としてある。誹謗中傷に関しては、全体で見ると極少数の意見が炎上に反映されてしまっていることが多い。誹謗中傷コメントを書き込む大きな理由には個人的な「正義感」があり、誹謗中傷だと気が付かずに書き込みを行って、誹謗中傷を行ってしまっているケースが非常に多い。反応しないことで話題が限定的なまま推移していって、忘れられていく可能性も高い。その場合は、事実を淡々と公表することに徹するのが良い。度合いにより、誹謗中傷の相談窓口に相談する選択肢や、訴える選択肢も持っておくのが大事。(山口先生)


<TikTokの最新の機能及び取り組みの紹介>

  • TikTok Japan公共政策本部 公共政策マネージャー金子から、誹謗中傷防止及び偽情報・誤情報の防止などを含む安全安心対策に向けたTikTokの最新の取り組みを紹介しました。以前通報・削除されたコメントを含む不適切なコメントに強力なフィルターが適用される「コメント注意モード」やディスカッションでも話題にあがった不適切なコメントを防止する「rethink(再考)機能」、「おすすめ」フィードのリセット、AIが生成したコンテンツにクリエイターがラベル付けできる新機能、透明性・説明責任情報公開センター等について情報共有しました。


「第18回TikTok Japan セーフティパートナー・カウンシル」開催概要

■日時:2023年11月28日(火)16:00 - 17:00(オンライン開催)

■テーマ:「データで見る、ネットの誹謗中傷とフェイク情報」

■アジェンダ:

(1)基調講演

  • 国際大学GLOCOM 准教授 山口真一先生「インターネットをデータで解き明かす」

(2)ディスカッション

■出席者(順不同/敬称略)

  • TikTokセーフティパートナーのみなさま
    ・認定NPO法人3keys(スリーキーズ)
    ・TDU・雫穿大学
    ・特定非営利活動法人 国際ビフレンダーズ 東京自殺防止センター
    ・認定特定非営利活動法人育て上げネット
    ・NPO法人ストップいじめ!ナビ
    ・認定NPO法人カタリバ
    ・NPO法人ぱっぷす
    ・特定非営利活動法人OVA(オーヴァ)
  • 安心ネットづくり促進協議会


TikTokは今後も、専門家の方々との連携のもと、社会課題の解決に向け、意見交換を実施してまいります。